身上書・釣書とはどんなもの?

「身上書(しんじょうしょ)」「釣書(つりしょ・つりがき)」とも言われ、必要となるのは縁談を持ち掛けるときが一般的です。

ちなみに身上書と呼んでいるのは関東圏で、釣書と呼ぶのは関西圏です。

縁談に使用する身上書(釣書)とは?書き方や内容について

縁談は人生において重要な選択の一環であり、その際にはお互いの情報を正確に伝え合うことが不可欠です。身上書、通称「釣書」とも呼ばれるものは、相手に自分の素性や生活態度を知ってもらうための手段として重要です。以下に、身上書の書き方や内容についてご紹介します。

1. 内容の整理と誠実な表現

身上書において大切なのは、自分自身の特徴や価値観を正直かつ誠実に伝えることです。自分の趣味や仕事、家族構成、将来のビジョンなど、相手に知ってもらいたい要点を整理し、魅力的な表現で簡潔にまとめましょう。

2. 謙虚でありながら自己アピール

身上書においては、相手に対して謙虚であることが求められますが、同時に自分の強みや良さもアピールすることが重要です。適度な自己アピールを加えながら、相手に自分のポジティブな一面を伝える工夫が必要です。

3. 生活態度や価値観の共有

縁談では、将来の生活態度や価値観が重要なポイントとなります。身上書では、これらの要素についてもっと詳しく触れ、相手との適合度や共通点をアピールすることが求められます。これによって、お互いの理解が深まり、円滑なコミュニケーションが期待できます。

4. 未来の展望や目標

将来の展望や目標についても身上書に明記することで、相手に自分の将来像を理解してもらうことができます。これによって、お互いの未来に対する期待や希望を共有しやすくなります。

5. 善意と尊重の言葉選び

身上書においては、言葉選びに細心の注意が必要です。相手に対して善意であり、尊重の念を込めた表現を心掛けましょう。また、敬語や丁寧な言葉使いが好印象を与え、良好な関係の基盤を築く助けとなります。

縁談においては、相手に対して素直かつ真摯な姿勢を示すことが肝要です。身上書はその第一歩であり、お互いの人生を共に歩むための貴重な手段となります。自分を正しく伝え、相手との良好な縁を築くために、慎重かつ誠実な姿勢で取り組んでいきましょう。

身上書とは具体的にどんなものなのか、もし書かなければいけなくなった場合はどんなふうに書けばいいかは、ぜひ知っておきたいところでしょう。

事実、身上書を目にするのは縁談の当人だけでなく、仲人や相手の家族も隅々まで目を通すものですから、その人のイメージにまで影響を及ぼします。

例えるなら求職するときの履歴書や職務経歴書などの重要書類と同じで、書き方から封筒への入れ方までマナーが必要な書面と言えます。

身上書の必要性とは?

身上書はその人のプロフィールが書かれた自己紹介書ですが、SNS時代のいわゆるプロフとはかなり異なるものです。

本来は縁談を仲介者などに写真とともに託して、結婚相手になりそうな人に見てもらう書類になります。

また、現代は恋愛結婚が主流ですが、それでも両家の関係を重視する人は多いです。

そうした意味で、本人の身上書に加えて家族書もしくは親族書という、いわば家族のプロフィールが書かれた紹介書も合わせて用意されることも少なくありません。

もちろん現代では必ずしも一般的なものではなく、必須とされるものでもありません。

書類の交換方法も人や地域の風習などによっても大きく異なりますが、縁談と同時に当然のごとく身上書の交換を求められるケースもあります。

比較的関西の縁談で交換されることが多いようですが、当人がと言うより親世代が書面で相手のことを知りたいと考えるケースが多いでしょう。

良縁でも交際が始まる前に摩擦が生じても困りますので慎重に扱う必要がありますし、必要になった場合に備えどのように書けばいいかを知っておくことはプラスになります。

身上書の基本的な書き方とマナー

身上書は手書きの縦書きが原則で、本人が墨筆や筆ペン、万年筆で書くのが基本です。

手書き文字から人柄を伝えるという意味もありますので、上手下手ではなく心をこめて丁寧に、誠実さが伝わるように書きましょう。

とはいえ、どうしてもうまく書けないという場合は、代筆を頼むこともあります。

ただしスマートフォンやパソコンで作ってプリントでは、会う前からイメージダウンしてしまう恐れがありますので避けましょう。

用紙は上質紙のA4かB4、B5サイズか、便せんが妥当です。罫線は入っていても構いません。デザインがある場合は、薄い色合いのものを選びましょう。

一緒に写真を同封しますが、フォトスタジオで撮ってもらったものを1枚、スナップ写真を1~2枚用意します。

スナップ写真は活気のあるものを選びましょう。ただし、友人同士で撮ったものは避け、1人もしくは家族と一緒に撮ったものを用意します。

封筒は郵便番号枠のない白無地で、表に身上書と書きます。中に三つ折りにした身上書を収め、封筒の蓋はのり付けせずに渡しましょう。

身上書には何を書く?

一般的な身上書に書かれる内容は以下の通りです。

  • 氏名、生年月日
  • 本籍地、現住所
  • 学歴、職歴、勤務先
  • 資格、趣味や特技
  • 身長、体重

そのほかに、結婚においてアピールポイントになるものを書くのが一般的です。

また信仰上の理由などで食の禁忌などがある場合は書くことで事前に知らせる役割も持っています。

既往症やローン、奨学金の借入金などがある場合も記載しましょう。

さらに親と同居していたり、ペットを飼っていたりする場合などは、そのことも記しておくのがベストです。

縁談の儀礼としての身上書(釣書)の渡し方

縁談において、身上書は結婚相手の紹介を依頼する際に欠かせない要素となります。この大切な文書を渡すタイミングやプロセスは、独自の儀礼や慣習に基づいています。通常、本人が直接渡すのではなく、仲人や世話人を通じて相手家族に届けられることが一般的です。

1. 仲人が話を持ち掛けるタイミング

身上書は、結婚に向けた意志を伝える手段として使われます。通常、仲人が話を持ち掛け、お互いの家族が縁談に前向きであることが確認された際に、身上書の存在が伝えられます。この段階で、身上書の作成が行われ、本人から仲人や世話人に手渡されることが一般的です。

2. 封を開けずに仲人が内容を確認

身上書は、内容が重要であり、信頼関係のもとで誠実に伝える必要があります。本人から渡された身上書は、仲人や世話人が封を開けずに内容を確認します。これは、慎重な取り扱いが求められる儀礼の一環であり、相手家族に対する礼儀と信頼を示す行為と言えます。

3. 仲人を通じて相手家族に手渡す

身上書の内容が確認された後、仲人や世話人を通じて相手家族に手渡されます。この際、封を開けずに渡されることが一般的であり、相手家族は大切な情報を仲人を通じて受け取ります。仲人は、その際に縁談に対する意向や希望についても共有し、円滑な意思疎通を図ります。

4. 信頼関係の構築と儀礼の大切さ

身上書のやり取りは、信頼関係の構築と縁談における儀礼の一環です。仲人や世話人を介して伝えられる身上書は、お互いの家族にとって大切な情報であり、これを尊重し信頼を築くことが、良好な縁談のスタートを切る鍵となります。

縁談においては、身上書のやり取りが重要なステップであり、これによってお互いの素性や意向を理解し合い、結婚への意志を確認するプロセスが進むのです。身上書の渡し方には独自の儀礼がありますが、その中で信頼と尊重が守られ、相手家族との円滑なコミュニケーションが築かれます。

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